世間の恥

伊藤忠商事の元会長だった丹羽宇一郎さんが書いた「仕事と心の流儀」という本に書いてあったと思うんだけど、人生というものは不公平にできている。

努力すれば報われる、みんな公平だ、世間ではそういうけれど、どうしてこうも不公平なんだ!と思うことも多い。隣の芝は青く見えるのも確かだけど、丹羽さんは、人生は不公平なものだ、だからこそ、努力しなければいけないし、妬んだり羨んだりしてはいけないと言う。

僕は5年ほど前に病気をして、その影響で大きな声が出なくなった。普段はガラガラ声で、初めて会った人には「風邪ですか?」と聞かれる。そして病気の後遺症で困っているのが、極度の緊張だ。もともと僕は躁うつ病なので、ストレス耐性が弱くなっているけど、なぜか病気をしてから、極度に緊張するようになった。

工場で勤務していた時、ビスを袋に入れる時、手が震えて入れられない。お客さんの前で検査表にチェックをする時、手が震えて、字が書けない。コーヒーを入れて運ぼうとすると、手が震えてこぼれてしまう。主に手の震えがひどかったが、その震え方が、引くくらい震えているので、周りの人から不思議な目で見られた。最近は大分マシになってきたけど、今でも打合せの時など、大事な打合せであるほど、手が震えてメモが取れなかったり、まばたきが多くなったりする。病院では、極度の緊張を和らげる薬を処方してもらっている。

この前、僕が声がガラガラだったり、まばたきが多いことに対して、「みっともない」、「恥ずかしい」と、ある人に言われた。その発言に対して、僕は腹がたつような悲しいようななんとも複雑な気持ちになった。その人は心身共に健康だし、親の跡を継いで会社の代表を務め、社会的地位もある。なんでも手に入る人生で何不自由なく生きてきた人生だったから、自分にとって当然のものが不足している者に対し、「なんてみっともないんだ」みたいな発想になるのだろうか?確かに僕は、健康な身体の人から見ればみっともないかもしれない。でも、僕から見れば、あなたのような人を裸の王様と言うのだと思う。

側から見れば、人生は不公平かもしれない。けれど、そういうことでしか価値を見出せない人生は残念だ。


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