寂しい生活

またまたネガティブなタイトルだなぁ、と思われる方もいらっしゃるだろうが、これは稲垣えみ子さんという方の本のタイトルである。

ご存知の方もいらっしゃるだろうが、稲垣えみ子さんは、東日本大震災での福島の原発事故をきっかけに節電生活を始め、遂にはテレビや洗濯機や冷蔵庫など、数々の家電を手放して月々の電気代150円という驚異の生活を実践されているお方である。

独身だからできるんだろー!、とか図書館発言で炎上したりとか、いろいろツッコミどころもあるが、個人的には大変考えさせられる内容であった。

今の世の中大変便利になって、暮らしはよくなっているように感じるが、実は便利になればなるほど、大切なものを失っているのでは?と稲垣さんは言う。それは「必需品」と呼ばれるものを手放すという生活を実践した体験から自ら感じたことで、説得力がある。

冷蔵庫は、食品の「賞味期限」という概念を完全に覆し、買う必要のない食材を蓄えては無駄にする箱と化しているし、エアコンは、四季の感覚を奪って二十四節気どころか四季さえも感じることができなくなった。

大量生産、大量消費の時代になって、企業は消費者の購買欲を煽って次々と新しい、そして決して必要ではない付加価値のある商品を出し続ける。人々は次から次へと新しいものを求め、その欲は尽きることがない。今度はあれが欲しい、これが欲しい、あれが食べたいこれが食べたい、あそこに行きたいと欲望のままに生きる。果たして、どこまで行けば今の自分に満足できるのだろう。

しかし、本当はみんな気付き始めている。本当に満たされた人生とはそんなものじゃないということを。欲望を埋めることでしか満足を得られない人生は寂しい。寂しい生活とはそういうことだろう。




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