村田森陶展

知人の紹介で、京都で骨董・古物を扱うギャラリー「幾一里」さんで開催されている「村田森 陶展」に行ってきた。
どちらかといえば、陶磁器の作家さんには、それほど興味はないのだが、今回の個展のテーマが「唐津と伊万里」だったうえに、まだ、ちゃんとした骨董屋さんに行ったことが無かったのでのぞきに行くことにした。
唐津はよく分からないのだが、伊万里のほうは、確かに伊万里焼を意識したような染付の器が並ぶ。骨董の器に比べると、余計な装飾が加わった感じに最初は抵抗を覚えた。
面白かったのは、裏側に薄い水色の釉薬が施されていたこと。というのも、先日、ウェブショップで完売した大正時代の網目紋様の中皿にも同様の釉薬が施されていたからだ。こういった釉薬の使い方は明治時代以前の骨董には見られはない。この裏側の水色の釉薬について店主に聞いてみたが、店主が耳が遠いようで、僕も今、大きな声が出せないので、何度か試みてみるも伝わらず、結局分からずじまいで断念した。
店主曰く、村田さんは唐津と伊万里で焼いてはいるが、いずれも唐津焼、伊万里焼ではなく、村田さんの作品なのだという。確かに伊万里焼は染付けはされているものの、形や図柄、そして先ほどの釉薬の使い方にしても、骨董の伊万里焼とは似て非なるものだ。しかし、網目紋様など伊万里の影響を受けていることは間違いないだろう。
いい感じのギャラリーだったので、また行きたい。


真鍮カードケース

骨董市に行った時に、気になるものがたまにある。
ブリキの衣装ケースもそのひとつ。確か、幼い頃に住んでいた家には、あのブリキの衣装ケースがあったように思う。ブリキの風合いがとてもよくて、機能からきたデザインが秀逸だ。
そこで、ブリキで何か作りたいと思った。ブリキの素材感を生かしながら、何かシンプルで普段使いできるもの。そんなことを考えている時に、あるデザイン事務所の方に山崎さんを紹介してもらった。山崎さんはブリキではないが、真鍮、銅、白銅などの非鉄金属で作品を作っているらしい。自分も知らなかったが、真鍮は5円玉、銅は10円玉、白銅は100円玉に使われているらしい。実は非常に身近な金属だった。
とりあえず、ご挨拶程度に山崎さんにメールをしたが、その後、建築家の矢部さんのところでさせていただいたリアルショップに顔を出していただいて、初めてお会いした。
そして、先日、初めて山崎さんのアトリエにお伺いした。居抜き物件とのことで、中に入るとカウンターにイスが並ぶ様がおもしろい。ラーメン屋さんだったらしい。
山崎さんは若いのに(たぶん。年齢は聞いていないので)、一言一言言葉を選ぶように話し、自分の思いをしっかりと伝える人だ。これまでに作った作品を見せていただいていた時、真鍮、銅、白銅で作ったカードケースの写真が目に留まった。名刺をお願いした時に業者さんが入れてくれるあの箱を余計なデザインをせずに非鉄金属に置き換えている感じが素敵で、思わず「これ、僕もお願いします」と口をついて出てしまった。
素材は真鍮にして、あえて表面は仕上げないようにしてもらった。表面の仕上げが金工職人のこだわりであるにもかかわらず、仕上げないで欲しいとは失礼なヤツである。山崎さんは、「始めての試み」と気持ちよく受けていただいた。
仕上がりは、完璧だった。また、真鍮は磨かなければ、これほどまでに茶色いのかと驚いた。今のままでも十分良いが、さらに使っていくうちに風合いが出てくるのが楽しみで仕方がない。


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